3学期始業式校長講話

 おはようございます。今日から平成23年度の第3学期が始まります。年の初めということもあって,みなさん方一人一人が新しい決意をもって学校生活に取り組もうとされていることと思います。さて,皆さん方は「一期一会」という言葉とその意味を知っていますか?知っている人は手を上げて下さい。ありがとう。おろして下さい。言葉は知らなくても,実はこの3学期は,みなさん方が「一期一会」の実質的な意味を,一番感じる学期となると思います。
 3年生は,卒業まで,あと何日附属中学校に登校できるのかを指折り数えていることと思います。そうすると,一日一日の学校生活,友達や先生方とのいつもの出会いや活動が,とても大切な時間に思えてくると思います。残り少なくなればなるほど,一日一日を大切にしたいと思うようになると思います。それが実質的に「一期一会」の意味なのです。
 2年生は,沖縄への「旅」に行きます。「旅」の中で,沖縄戦語り部の方や,民泊でお世話になる方々などにお会いすることと思います。出会いがあれば,必ず別れがあります。別れに際し,先輩たちがそうであったように,沖縄の方々と触れ合いは,自分たちにとって本当に貴重なものだったと思うでしょう。自分たちを成長させてくれた大切な経験として,きっと記憶にとどめておきたいと思うでしょう。まだ別れたくない,もう少しいっしょにいたいと思うでしょう。その時,みなさん方は「一期一会」の気持ちを理解しているのです。
 1年生は,東京巡検に行きます。フジテレビや読売新聞社,国会議事堂などで社会見学をするとともに,今年はコースの中に東京大学が入っていて,東大の学生さんたちの用意してくれた体験的プログラムに参加すると聞いています。日本の情報産業や政治,学問の中心で過ごしたひとときと,そこで活動している人々から学んだことが,もしみなさんにとって本当によかった,自分の将来のためになった,と感じて新潟に帰ってくることができれば,そこに「一期一会」の心が,形作られ初めていることと思います。
 先生方もまた,1月27日の冬の研究大会で,全国各地からお越しになる先生方の前で,50分間のみなさん方との真剣な学びの場をお見せすべく努力されています。先生方,みなさん方,附属の授業を楽しみに来られる方々,それらの人々が50分間の授業を大切にしようとする思い,それもまた「一期一会」の心だと言えるでしょう。
 人との一つの一つの出会いを二度とないものとして大切に思う心,これは,伝統的な日本文化の一つである「茶の湯」「茶道」の中から生まれた言葉だそうです。みなさん方の3学期の活動が,「一期一会」の心に満たされて,平成23年度の集大成となるように期待しています。これで始業式の話を終わります。