3学期終業式

 3月16日(金)平成23年度3学期終業式が行われました。児玉校長の講話の後,新生徒会正副委員長(大倉さん,大塚さん)から,自主独立・協同の姿の実現のために,現状を振り返って一同力を合わせ,新入生を温かく迎えようと熱のこもった呼び掛けがありました。生徒憲章にある「生活の心得」の決まりは,それが実現された時に削除されるとあります。附中の目指すべきは,決まりはたった一つ。すなわち,それが「自主独立・協同」ではないでしょうか。他から規制されるのではなく,自分でよく考え適切に判断して,正しく行動できる。そんな真の附中生の姿を期待します。

 校長講話〜春休みの「自主独立・協同」〜
おはようございます。今日は、3学期の終業式で、学校と皆さん方にとって1年間のしめくくりの日です。この後のホームルーム等で、1年間の成果と課題について、いろいろな振り返りをじっくりと行って欲しいと思います。3年生が卒業して寂しくなりましたが、4月にはまたすぐに、新入生を迎えることになります。みなさんは新3年生、新2年生として、先輩として、新入生を迎える心構えをしっかりとつくってほしいと思います。
そのために、明日からの春休みの過ごし方についてお話しします。それは、春休みの「自主独立・協同」ということです。「自主独立・協同」は、学校だけでなく、家庭でもめざさなければならないということです。
 まず、「自主独立」については、2つのことが基本となると思います。1つは規則正しい生活をすることです。学校生活と同じリズムを崩さないように、一日一日を大切にしていって欲しいと思います。2つめは目標を持つということです。それは、勉強は言うまでもなく、体を鍛えることや、読書、創作活動など何でもよいと思います。自分で立てた目標に向かって、自分で努力をするという姿勢をもって欲しいと思います。社会的存在としての自分のあり方や能力・資質を高める努力を、自らの意志で意図的に行うことができるのは、人間だけです。「自主独立」をめざすことは、一人前の人間になることをめざすということです。
 次に、「協同」ですが、これは言うまでもなく、家庭での自分の役割をきちんと見つけて、家族の一員としての責務を果たすということだと思います。
100年ほど前、インドで、家族に育てられず、狼に育てられたといわれているカマラとアマラという姉妹が、人間に発見されて保護されたとき、先に妹のアマラが亡くなりました。そのとき、残された姉のカマラは、一粒の涙は流したけれど、それ以上、泣くことができなかったそうです。悲しみをこらえているのではなく、人としての感情を表す方法を知らなかったのが哀れだったといわれています。みなさんは、春休みに家庭での長い時間の中で、家族とともに泣いたり、笑ったり、喜んだり、悲しんだりして、人としての感性を磨いていって下さい。それが家族と「協同」して生きることの意味だと思います。
 4月になると、いよいよ桜の季節です。よく言われることですが、桜は、暖かくなったから咲くのではない。寒暖の差、寒さと暖かさの差の大きさを感じて花を咲かせるのだといいます。春休みに、みなさんは、あえて、自分で自分に寒い環境、厳しい環境を与えて、来年度に大きな花を咲かせるための根をしっかりと培っていただきたいと思います。
 これで3学期の終業式の話を終わります。